難病で障害年金は受給できる?対象となる病気や受給条件を詳しく解説
目次
難病と障害年金の関係とは?
難病を抱える方へ。
障害年金を受給できる難病の種類や条件、等級の判断基準、診断書作成時の注意点まで、わかりやすく詳しく解説します
難病と診断された方の中には、「この病気で障害年金はもらえるのか」と不安に感じている方も多いでしょう。
障害年金の対象となるかどうかは、「指定難病」であるかどうかに限らず、
その病状が日常生活にどの程度の支障を与えているかで判断されます。
つまり、病名ではなく、症状の重さや生活上の支障の程度が障害年金受給のポイントとなるのです。
障害年金を受けられる可能性のある難病とは
障害年金で対象となる可能性がある難病には、以下のようなものがあります(※一部抜粋)
- 多発性硬化症(MS)
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- パーキンソン病
- 潰瘍性大腸炎
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 脊髄小脳変性症
- シャルコー・マリー・トゥース病
- 重症筋無力症(MG)
- 慢性疲労症候群(ME/CFS)
- クローン病
上記はあくまで一例であり、診断名よりも日常生活への影響が重要視されます
障害年金の受給条件と初診日の重要性
障害年金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 初診日が公的年金制度に加入中であること
- 難病と診断された日ではなく、「最初に医療機関を受診した日」が初診日です。
- 保険料納付要件を満たしていること
- 初診日の前日において、納付済みまたは免除された期間が一定以上必要です。
- 障害認定日において一定の等級に該当していること
- 認定基準に基づく1級、2級(厚生年金加入者は3級も対象)に該当する状態であること。
難病での障害等級の判断基準
難病における障害等級は、その病気による日常生活能力の制限の程度で判断されます。
- 1級:常に介助が必要な状態(例:寝たきりに近い)
- 2級:日常生活が極めて困難(例:通院や家事もほとんど困難)
- 3級(厚生年金のみ):労働に大きな支障がある(例:通勤や職務が困難)
たとえば、パーキンソン病で歩行や着替えが困難、ALSで筋力が著しく低下している場合などは高い等級に該当する可能性があります。
診断書の記載内容がカギに
診断書には、「日常生活や労働能力にどのような影響があるか」が具体的に記載されている必要があります。
- 移動・食事・着替え・排泄などの日常生活の様子
- 医療依存度(在宅酸素・胃ろう・人工呼吸器など)
- 疲労・倦怠感や痛みによる活動制限
- 難病の進行具合と予後
障害年金の審査は、「○○ができる」よりも「○○できない」に注目するため、「困っている内容」を中心に記載されることが重要です。
難病による受給事例と注意点
多くの難病は、進行性であるため、「事後重症」として申請するケースがほとんどです。
初診時には該当していなくても、病状が悪化したタイミングでの申請が可能です。
また、難病は珍しい病気も多いため、診断書の内容が審査側に正しく伝わるよう、
専門家のサポートを受けることが非常に有効です。
専門家に相談するメリット
障害年金の申請は、診断書の内容次第で結果が大きく変わります。社会保険労務士に相談すれば、
- 難病に適した診断書の依頼方法
- 必要書類の確認と整備
- 不支給を防ぐための書類チェック
など、専門的な視点でのアドバイスを受けることができます。
まとめ
難病で障害年金を受給するためには、病名だけでなく、日常生活や労働への具体的な影響が問われます。
進行性の病気の場合は、症状が重くなったタイミングでの「事後重症請求」も可能です。
一人で悩まず、早めに専門家に相談することで、適切なサポートを受けながら申請を進めることができます。
難病と向き合いながら、安心して生活できるよう、障害年金制度をぜひ活用してください。
指定難病表
相談窓口や情報収集
・難病情報センター(公益財団法人難病医学研究財団が運営(厚生労働省補助事業)しているWebサイト)
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