【社労士監修】人工関節で障害年金をもらうと金額はいくら?3級の受給額と最低保障額を解説

1. 人工関節でもらえる障害年金は「障害厚生年金3級」

股関節や膝関節などの「人工関節置換術」を受けた場合、初診日(その病気で初めて病院に行った日)に厚生年金に加入していれば、「原則として障害厚生年金3級」に認定されます。

ご相談者様から「人工関節で3級になった場合、実際にはいくらもらえるのでしょうか?」というご質問をよくいただきます。 今後の生活設計や、術後の働き方を考えるうえで、受給できる具体的な金額を知っておくことは非常に重要です。ここからは、3級の金額の決まり方について詳しく解説していきます。

2. 障害厚生年金3級の金額はどう決まる?

障害基礎年金(1級・2級)が全員一律の定額であるのに対し、障害厚生年金の金額は、一人ひとりの「過去の給与(標準報酬月額)」と「厚生年金に加入していた期間(月数)」によって計算されます。これを「報酬比例の年金額」と呼びます。

簡単に言えば、「これまでにたくさんお給料をもらっていて、長く厚生年金を払ってきた人ほど、もらえる障害年金の金額も高くなる」という仕組みです。 そのため、「Aさんは月額8万円」「Bさんは月額6万円」というように、全く同じ人工関節の手術を受けた方であっても、これまでの働き方によって受給額には個人差が出ます。

令和8年度最新の金額詳細については、日本年金機構のHPをご覧ください。

3. 3級には「最低保障額」があります

「過去の給与があまり高くなかった」「厚生年金に加入していた期間が短い」という方は、「計算上、もらえる年金がごくわずかになってしまうのでは?」と不安に思われるかもしれません。

しかし、ご安心ください。障害厚生年金3級には「最低保障額」という制度が設けられています。 給与や加入期間をもとに計算された金額が低かった場合でも、国が定めた最低ラインの金額が必ず支給される仕組みです。

障害厚生年金3級の最低保障額(令和8年度の例) 年額:635,500円 (月額換算で約52,958円
※年金額は物価変動などにより年度ごとに改定されます。

つまり、人工関節で3級の認定を受ければ、過去の収入状況にかかわらず、最低でも年間約63万円(月額約5万円)は受け取ることができるということです。

より詳しい事例をご覧になりたい方は、下記受給事例をご覧ください。
右変形股関節症による【障害厚生年金3級受給】年間約62万円の受給に成功した事例

4. 配偶者加給年金(家族手当)は加算される?

障害年金には、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に金額が上乗せされる「加給年金」や「子の加算」という制度があります。

しかし、ここで注意が必要なのは、これらの加算がつくのは「障害年金1級・2級のみ」であるという点です。 人工関節による「原則3級」の認定のみの場合、残念ながら配偶者や子どもに対する加算額はつきません。支給されるのは、ご本人の「報酬比例の年金額(または最低保障額)」のみとなります。

5. まとめ:働きながらでも受給可能!受給額の目安は専門家へ

人工関節で障害年金(3級)を受給する場合のポイントは以下の通りです。

・受給額はこれまでの給与と加入期間で決まる

・計算額が低くても、年間約63万円の「最低保障額」が保証される

・3級には配偶者や子の加算はつかない

もう一つ重要な事実として、障害厚生年金3級はフルタイムで働きながらでも満額受給することができます。就労していることや、現在の収入が高いことを理由に減額されたり、支給停止になったりすることはありません。術後の生活や仕事を支える大きな柱となりますので、対象となる方はしっかりと申請を進めることをお勧めします。

ご自身の具体的な受給目安額が知りたい方や、申請手続きに不安がある方は、姫路の障害年金専門社労士である当事務所へお気軽にお問い合わせください。

6. 人工関節の障害年金に関するよくあるご質問(Q&A)

Q. 片足だけ人工関節を入れた場合でも障害年金はもらえますか?

A. はい、片足のみの人工関節(または人工骨頭)の置換術でも障害年金の対象となります。初診日に厚生年金に加入していれば、片足のみでも「原則3級」として認定されます。

Q. 現在フルタイムで働きながらでも、障害年金は受給できますか?

A. はい、受給可能です。人工関節の障害年金(原則3級)は、就労状況や現在の収入を理由に不支給になったり、減額されたりすることはありません。仕事を続けながらでもお受け取りいただけます。

Q. 初診日に国民年金(専業主婦や自営業など)だった場合はどうなりますか?

A. 国民年金の場合は「障害基礎年金(1級・2級のみ)」の対象となります。人工関節は「原則3級」の基準となっているため、残念ながら初診日が国民年金の場合は受給対象外となるケースがほとんどです。ただし、両足の人工関節置換や他の障害との併発などで症状が著しく重く「2級相当」と認められた場合は、受給できる可能性もあります。

Q. 手術をしてからすでに何年も経っています。今からでも申請できますか?

A. はい、現在も人工関節が入っているのであれば申請可能です。また、条件を満たしていれば過去に遡って年金を受け取れる(遡及請求)可能性があります。ただし、時効の関係で遡って受け取れるのは「最大で過去5年分」までとなります。

Q. いつから障害年金の申請ができるようになりますか?

A. 通常の病気やケガの場合、初診日から1年6ヶ月経たないと申請できません(障害認定日の原則)。しかし、人工関節の場合は「特例」があり、「初診日から1年6ヶ月以内で、人工関節を入れた日(手術日)」から申請が可能になります。

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ご相談について

人工関節の手術後、「以前のように働けるだろうか」「収入が減ってしまわないか」と、経済的な不安を抱える方からのご相談を数多くお受けしてきました。 働きながらでも受給できる障害年金は、術後の生活を安定させるための大切な制度です。しかし、働きながら複雑な年金手続きをご自身で進めるのは、想像以上の負担となります。 ご自身のケースでいくら受給できる可能性があるのか、どのような手続きが必要なのかについては、無料相談で個別にご案内しています。ご家族からのご相談も歓迎しております。

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監修者

佐伯 和則(社会保険労務士/姫路駅前社会保険労務士法人 代表社員) 障害年金専門社労士として、兵庫県・播磨地方を中心に2,500件超のご相談を担当。股関節・膝関節などの人工関節(肢体の障害)をはじめ、精神疾患、難病など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。地域の病院や福祉施設、特別支援学校等での障害年金勉強会の実績あり。受給決定率97.1%(2025年12月末時点)。

※本記事の年金額は2026年度(令和8年度)の制度に基づく一般例です。実際の受給額・遡及額は個別の納付記録等により異なります。
※障害年金の受給要件、等級判定の根拠は、国民年金法・厚生年金保険法および障害認定基準に基づきます。
※本記事は2026年4月時点の法令・制度に基づいて作成しています。
※「必ず受給できる」とお約束するものではありません。個別の事案については無料相談にてご確認ください。

プロフィール

佐伯 和則 社会保険労務士
佐伯 和則 社会保険労務士
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