診断名より“日常生活ができない”が大事!障害年金の本質に迫る

症状名だけでは通らない。審査官が本当に見るものは「あなたの暮らしの困難さ」です

症状を持っているだけで年金が認められるわけではありません。
うつ病、発達障害、高次脳機能障害──どれも「診断名」を耳にすれば重く響く傷病ですが、それだけでは障害年金は支給されないことが多いのです。
審査で本当に問われるのは、「〇〇ができない」というあなたの 日常生活の制限。
朝起きられない、書類をまとめられない、薬を飲み忘れて通院できない、対人場面でパニックになる――こうした“できないこと”を具体的に伝えることが、通るか否かの分かれ目になります。
本記事では、「診断名に頼らない実態評価」の視点から、審査で重視される日常生活能力の基準、注意すべき記載例、そしてあなたができる準備を丁寧に解説します。

第1章:診断名だけでは年金は通らない理由

障害年金の審査では、診断名(たとえば「うつ病」「発達障害」「高次脳機能障害」)そのものが合格を保証するわけではありません。

なぜなら、制度が見るのは「その傷病によって日常生活にどれだけ制限が出ているか」、つまり 実際に“できないこと”がどれほどあるか だからです。

たとえ診断名が重くても、日常生活や就労に支障があるという具体的な記述がなければ、審査側には「生活に問題はない」と判断されてしまう可能性があります。

第2章:障害年金で重視される “日常生活能力” とは何か

精神障害(うつ・発達障害・高次脳機能障害など)での審査においては、診断書(精神の障害用) の記載要領に

「日常生活能力の判定」「日常生活能力の程度」という2つの評価軸が含まれています。

日常生活能力の判定(7項目 × 4段階評価)

診断書では、次の7つの場面における制限度合いを、4段階で評価する「判定」欄があります。

  1. 適切な食事
  2. 身辺の清潔保持(入浴・洗面・衣服更衣など)
  3. 金銭管理と買い物
  4. 通院と服薬
  5. 他人との意思伝達・対人関係
  6. 身辺の安全保持・危機対応
  7. 社会性

それぞれに「①できる」「②おおむねできるが助言・指導を要する」「③助言・指導があればできる」「④助言・指導してもできない」という段階があり、

これを数値(1~4)に置き換えて平均を出します。

 

この「判定平均」と、もう一つの軸である「日常生活能力の程度」評価を組み合わせて、等級の目安とされます

日常生活能力の程度(5段階評価)

こちらは、日常生活全体としてどの程度制限を受けているかを5段階で包括的に評価する欄です。

例えば、

  • (1)症状はあるが生活に支障はほとんどない
  • (5)身の回りのこともほとんどできず常時の援助が必要

といったレベルで区分されます。

この「程度」と「判定平均」の組み合わせが、等級を判断する目安になります。

ただし、これはあくまで「目安」であり、実際の等級判定は診断書全体の記載内容や他の資料との整合性を見て総合判断されるため注意が必要です。

第3章:具体例でわかる “できないこと” の伝え方(傷病別シナリオ)

以下のような例を参考にして、自分の生活で“できないこと”を具体的にまとめて医師に伝えると、診断書の内容が変わる可能性があります。

傷病名

『できないこと』の例

書き方・伝え方のコツ

うつ病

朝起きられない、身支度が整わない、外出できない、家事ができない

「起床後すぐベッドから動けない」「朝食準備に30分かかる」「週1~2回しか買い物できない」など、時間・頻度・具体的行動を記録して伝える

発達障害(ASD/ADHD)

書類整理ができない、忘れやすい、手順を追えない、対人応対が困難

「請求書類をまとめるのに数時間かかる」「銀行窓口で緊張して話せない」「連絡メールを見落としがち」など、実際の失敗例を伝える

高次脳機能障害

記憶保持できない、段取りができない、注意が続かない

「10分前にやることを忘れる」「薬を複数回飲み忘れる」「途中で別のことを始めて元に戻れない」などを具体例で

このように具体的に医師に伝え、診断書に「生活能力の判定」欄に反映されていれば、審査側には「日常生活に支障がある実態」が伝わりやすくなります。

ご本人様が伝えるのが困難なようでしたら同席したご家族やメモなどを利用し、日常生活の現状を伝えるとよいでしょう。(第5章を参考にしてみてください)

第4章:よくある記載ミスとリスク

 📌「できる」表現が多すぎる
   日常生活欄に「できる」「自立可能」とだけ書かれると、審査側には「問題ない」と判断されてしまう危険があります。

 📌支援・援助前提で「できる」と書かれている
   しかし記載要領では、援助なしで生活した場合を想定して書くべきとされており、過度に支援環境を前提に書くと過大評価のリスクがあります。

 📌現症のみで判断してしまう
   症状が変動する精神疾患では、良い日だけで書かれると軽く見られがち。過去1年程度の変動を含めて「増悪と軽快の波」を伝えるべきです。

 📌矛盾する記載がある
   病名・病歴・日常生活能力の記述がつじつまが合わなかったり、過去の状態と現在の能力の記述に食い違いがあると、審査官から疑義を持たれる可能性があります。

第5章:あなたができる準備と行動ステップ

 📌日常の記録をつける  

   1週間~1ヵ月程度、朝起きる時間から就寝まで「できなかったこと」や「無理だった動作」をメモ

   通院・服薬・休息などの時間も記録

 📌家族・支援者の視点を取る

    家族や支援者から見た「日常で困っている場面」を聞き、メモしておく

             支援者証言を補助資料として提出可能な場合も

 📌診察時に伝えるポイントを整理する

   「今日は調子がいい」日を見せるのではなく、日常生活の平均的な状態を伝える

   記録を持参し、「このような日に何ができなかったか」を具体的に見せる

   📌診断書下書きを医師と擦り合わせる      

             医師に診断書案を見せて、誤記や記載漏れをチェック

             支援・助言前提かどうか、変動性や援助の必要性も含めて補足説明書(意見書)を付けてもらう

 📌補助資料を揃える

    通院履歴、薬歴、診療報酬明細、検査結果、手帳・福祉サービス利用記録 など

          申立書(病歴・就労状況等申立書)で“できないことの実情”を別記

    📌専門家に相談する
   社会保険労務士など、障害年金に詳しい専門家に書類チェックやアドバイスをもらう

まとめ:審査官にあなたの現実を理解してもらいましょう

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

「診断名」を持つあなたは、その病気が人生に影響を及ぼしている証拠を持っています

ただ、それを制度につなげるためには、“できないこと”を正確に伝える言葉 が必要です。
診断書や申立書に、あなたの苦しみや日常の苦労を具体的に落とし込むことが、制度の審査官に“あなたの現実”を理解してもらう鍵となります。
躊躇せず、記録を取り、医師と率直に向き合い、支援を受けながら最善を尽くしてください。

もし書類のチェックや表現に不安があれば、ぜひ社会保険労務士などの専門家を頼ってください。

そして、あなたの「生活できない」事実を、制度に正しく評価してもらいましょう

 

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佐伯 和則 社会保険労務士
佐伯 和則 社会保険労務士
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