20歳前傷病の障害年金の対象者は? 受給ポイントや申請の注意点にについて社労士が解説!
20歳前傷病(障害)とは?
20歳前障害とは、20歳未満の方々に影響を及ぼす様々な身体的、または精神的な障害を指します。
例えば、20歳前障害には、発達障害(自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害)、知的障害、脳性麻痺、てんかん、うつ病などがあります。
障害年金を申請する場合、20歳前に初診日がある状態が該当します。
29歳前障害の対象者
(ア) 20歳前に初診日がある方(若い時の交通事故等)
(イ) 知的障害・先天性難聴・脳性まひなどの生まれつきの障害をお持ちの方
(ウ) 1級または2級の障害の状態にある方(障害の程度は障害年金の障害認定基準によります。)
① ※20歳到達時あるいは障害認定日時点、もしくは65歳までに1級または2級の障害の状態にあること
障害認定日は?
(ア) 初診日から1年6ヶ月経過した日が20歳の誕生日の前日より前であれば、20歳の誕生日の前日
(イ) 初診日から1年6ヶ月経過した日が20歳の誕生日の前日より後にくれば、1年6ヶ月経過した日
申請のポイント・注意点
(ア) 納付要件は必要ない
障害年金の20歳前の障害については、納付要件は不要です。
障害年金の場合、通常は年金保険料の納付が必要とされますが、20歳前の障害の場合はこの納付要件が免除されています。
(イ) 所得制限がある
前年の所得額が4,721,000円を超える場合は年金の全額が支給停止となり、3,704,000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります。
なお、扶養親族がいる場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円加算されます。
対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円が加算され、特定扶養親族または控除対象扶養親族(19歳未満の者に限る)であるときは1人につき63万円が加算されます。
支給停止となる期間は、10月から翌年9月までとなります。(令和5年4月分から)
(ウ) 20歳前でも初診日時点で厚生年金に加入している場合
初診日に厚生年金保険に加入していた場合は、20歳前障害ではなく、通常の障害年金(1、2級であれば障害基礎年金および障害厚生年金)が支給されます。
(エ) 診断書を書く際の注意点
障害認定日が20歳に達した日になる場合、障害認定日前後3ヶ月以内の現症の診断書を提出します。
20歳になる3か月前から診断書を準備することができるので、事前にかかりつけの医師に依頼しておきましょう。
傷病によって、診断書の種類が異なるため、その部分は別途注意するべき点がございますが、すべての傷病において留意すべき点がございます。
それは、「20歳の診断書は、20歳の時点でどうなのかということを適切に記載すべき」ということです。
20歳前障害の場合、生まれつきの傷病をお持ちの場合など、過去において病気によりどれくらい困難だったのかということばかりを医師に伝えてしまい、現在がどれだけ困難かということを詳しく伝えられていないこともあります。
もちろんこれまでの経緯も重要ですが、現時点で日常生活がどれだけ困難かということも、医師に適切に伝え、診断書に反映されるようにしましょう。
特別児童扶養手当から障害年金の移行について
特別児童扶養手当は、20歳までとなってます。
20歳以降は、障害年金の要件に当てはまる方は、障害年金の申請を行うことをおすすめします。
診断書の依頼も20歳の誕生日の3ヵ月前から取得できるので、20歳の誕生日の半年間程前から、障害年金の申請の準備を進められるとよいでしょう。
当事務所でも、特別児童扶養手当から障害年金に移行されたケースが多くあります。
ご不明な点がある方は、当事務所の無料相談をご利用ください。
20歳前障害の事例
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